表示中の記事は2019年6月30日までの旧記事です。

来年の研修医 フルマッチ

初期研修医の先生が、どこの病院で研修を受けるかというのは、昔と違いマッチングというシステムを利用します。

ここ最近、マッチングがなかなかうまらず、苦しい思いをし

今年度は、マッチングはしたものの国家試験に4名落ちるという悲劇がおき、1年目はわずか2名という苦しいなか、研修医の先生も、研修委員会のみなさんも、研修担当の事務の方も、みんながあきらめず?ハートライフらしい学生実習などにとりくみ

なんと久しぶりに、フルマッチ、しました。

マッチング

あとは、来年に新研修医予定のみなさんに

がんばって勉強していただき、国家試験に合格していただけると

来年4月には、6人の仲間が増える事になります。

“Harvest follows seedtime.(蒔かぬ種は生えぬ)”

ちいちゃなことが、ちょっとずつ、確実に、効果を出しつつあります。

これからです!!

救急医学会

東京で行われた日本救急医学会総会/学術集会へ参加、発表をしてきました。

2年目の研修医2名も発表をしました。
IMG_4300
一年前の彼らの姿からは想像できない、研修医とはとても思えない実に堂々とした発表で、
IMG_4303
救命センターの医師からの質問にも動揺する事なく、自分の言葉でしっかり返答をしている姿から、彼らの成長を実感する事ができました。
IMG_4305
学会では外傷への初期治療、循環の安定化のための開腹手術は当然の手技となりつつあることを実感しながらも、非外傷、内因性救急疾患へも適切に治療をしていく事の重要性、研修医指導の必要性も実感、たくさんの問題点、改善が必要な点もたくさん明らかとなりました。病院に持ち帰ってからどのようにしていったら良いか悩みはつきません。
救急学会案内1
しかし、毎年学会でお会いする全国の救急医の先生方とお話をする機会を得る事でまた来年も頑張っていこう、と強く思えるようになってきています。

発表するために調査、研究、臨床をしているのではなく、今回発表した内容は来年以降、当然のように対応可能となっていること、あたりまえにしていく事が重要であるということでもあります。

今後も沖縄だから仕方ない、二次救急の病院だからこんなもんです、という言い訳をしないですむように全国第一線の病院と接点を持ちながら、救命救急の質をあげられるよう努力をしていきたいと考えています。

極北ラプソディ

”TOKYO”での学会に参加中です。

沖縄から学会に参加するためには、最低2時間の飛行機旅行が必要で、仕事をかかえ機内でコンピューターを「かたかた」しているときも多いのですが、 「離陸着陸の際は・・・」といわれるのでその間だけでもと文庫本を買う事がよくあります。千円以上する単行本は大きくて、帰りの飛行機の際にも荷物になる ので買わないのですが文庫本になっていただけると大変助かります。

今回は、医療現場をよく知る海堂尊先生の「極北ラプソディ」を読みました。

極北ラプソディー
思い当たる市町村があります。

経験した地域医療の問題点もしっかり書いてあります。

今回、参加している救急医学会で、チャンピオンケースを誇らしげに発表している病院もありますが、その背景にある地域による医療格差の問題や、医師の能力、役割分担が本当は必要だけどできていない現状などを知っている医師である著者ならではの、救命救急の光と影、地域での救急医療の問題が丁寧に書かれている気がしました。

重症が診れないのは仕方ないにしても軽症、中等症は診てよね、という救命センターの気持ち

軽症の中に潜む重症患者に対応できない、そんな可能性がある状態で救急患者の搬送を引き受ける事(9/10が軽症だったとしても)での、潜んでいた重症患者の受けるタイムロス、ホスピタルディレイ、そしてそれが患者を殺してしまうかもしれないという危険性を考慮した上で救急医療を引き受けないという医師不足の病院の選択
ヘリポート
医師であれば、患者さんを自己保身のために見殺しにしてもいいと考える医師なんかいない、みんな助けたいと思っているんだけど、ひとりでは、自分では、自分たちの能力では、助けられない、かもしれない、でも助けられるかもしれない、自分がもうちょっと頑張れば、もうちょっと無理すれば助けられるかもしれない、でも、もうちょっと無理を続けると倒れるかもしれない(病院も自分も地域も)、倒れちゃったら代わりはどこからもこないかもしれない、そしたら地域はもっと大変な事になってしまう、けど、医は仁術だろ、診てくれよ、診療拒否をするのか、と求められるところでの葛藤など、日常診療で常に悩んでいるところが、胸にずんと来ました。

あと2日、救急医学会が続きます。

いろいろな問題をしっかり勉強してきたいと思っています。

救急看護学会

今年は、当院ERから忙しい日常業務の合間をぬって、仕事をまとめ、アンケートをとり、スライドを作り救急看護学会に2演題を出してくれました。
(沖縄県からは他に県立中部病院からの2演題のみでした・・)
救急看護 Kんた
出発前日のぎりぎりまで修正に修正を重ねたポスターでの発表でした。

緊張し、冷や汗をたっぷりかきながら、全国の救命センターの看護師さんを前に堂々と発表してくれました。
また、学会初日の夜は全国からの救急認定看護師さんとの懇親会に混じる事ができ、とても刺激になったようです。
救急看護 Tけもと
救急認定看護師の資格取得のため研修中のK本さんも応援に来てくれました。
来年の学会発表へむけて、どんな調査、臨床研究を進めていけばいいかのヒントをたくさん見つけてきました。
救急看護学会

学会は、全国の施設へ、ハートライフ病院はこんなことをやっている病院です、というアピールと沖縄県内の他の病院スタッフに、ハートライフ病院こんな風に頑張っています、というアピールをすることと、どうしても離島である沖縄県内で天狗になる、井の中の蛙になってしまう医療を行うのではなく、自分たちの行っている医療が全国の施設と比べて遅れていないか、きちんと地域の患者様に最善の医療、看護が提供できているかの確認、不十分であれば持ち帰って最善の医療、最先端の医療を沖縄に持ち帰るための勉強をする本当にすばらしい機会だと思っています。
こういう機会に参加することへの援助を惜しまない病院に感謝、感謝です。
「ちゃんと助ける」ためには「勉強」がどうしても必要です。
これからも頑張っていこうね!

海外AMAZON様

日本のアマゾンより1万円近く安かったので、2巻セットの医学書を、アメリカのアマゾンにお願いしたらなんと4日で届きました。
届いた
が、1冊しかはいっていませんでした・・
届かない
どうしたらよいのかわからず、インターネットでいろいろ対応を検索
メールをして(翻訳サイトをフルに利用して)、
新しいのを送ってもらえる事になりました。(・・他にもいろいろありましたが)
Do-not-separate
そして届きました。無事2冊。
こんどはばっちりです。
2冊
ただ、前回のものはEMSというサービスでアメリカに送り返す事になりました。
送料はなんと8,200円
ちゃんと振り込まれるのか、まだまだ心配はつきません。
それでも、注文して7日間です。
海外AMAZON様もサービスはすばらしい。
履歴
英語が得意な方にはいいのかもしれません。

ちなみに、ROSEN’S Emergency Medicine いい本です。

看護師さんの結婚式

先日、救急外来の看護師さんがありました。
比嘉くん結婚式
一般的な会社に社会人と就職した後、
医学の道を志し、看護学校に入学、
今年の春から当院ERに勤務となった彼にとって、
一般社会からかけ離れたこの医療業界は、きっと異質なものだったと思います。
師長祝辞
半年前は非常にとまどい、重症患者の立て続いての搬送に頭が真っ白になり、停止してしまうことも多かったですが、経験豊富な周りのスタッフに支えられ、次第に成長してきています。
しかし、まだまだです。
救急外来は厳しい世界です。
勉強しても、勉強しても追いつけない、だけど勉強しないとどうにもならない
プレセプター
経験が、感覚が、危険を予知できる部署でもあります。
今までも大変だったと思いますが、これからももっともっと大変だと思います。
でも、周りにはたくさんの仲間がいます。
ER-staff
そして、あらたに生涯の伴侶を得て、これからますます頑張れるんじゃないかと思います。
期待してるよ〜
これからも一緒にがんばっていこうね〜

そして父になる

映画を見に行きたかったのですが、途中で呼び出しがあると最後まで見られないことがあるので、小説の方を読ませていただきました。
そして父になる
「泣きました・・」
そして同じ年頃の子どもを持つ親として
「考えさせられました」
でも、こう、締め切りが迫ってくると違う事をやりたくなるのは
スライド10
学生時代の試験前に限って家の掃除がしたくなるのと、なんだか似てる気がします。

内科当直体制

勤務体制がきついと日記に載せたら、そんな職場では働きたくないとコメントを頂きました。

言い訳、ではないですが、当院の当直体制について説明を追加したいと思います。

当院では内科系当直、外科系当直、ICU当直の3人当直体制となっています。

内科系当直については、内科医が交代で当直をし、年長者は回数を少なく、若手は多く・・など若手?につらい条件などがありましたが、若手内科医減少を食い止めるため

紆余曲折を経て、もうここは基本的に平等にやりましょう、ということになり
当直は平等に
若手?医師9名が夜勤を①〜⑨の形ではいり

日勤担当として4名が土曜の午後診、日曜の日直と祝日の当直を

祝日の日直を、大御所2名に担当していただいている形をとっています。

一番のポイントは、誰から見ても平等になるように番号でしていることと半年分を一気に出す事で、当直の交換がやりやすいような体制をとっております。

ただ、当直明けの午後に検査や、特殊治療、外来などがあたることもあり、なかなか休めてはいないのが現状で、楽です、とはいえませんが、

内科医の当直としては、考えられたものになっているのかなぁと思っています。

千里メディカルラリー

大阪 千里で行われた第12回千里メディカルラリーを救急科研修医と見学してきました。

飛行機に遅れ、地下鉄は止まり、ホテルについたときには食堂、売店はしまり、帰りは快速に乗り遅れ、いろいろ大変でしたが、とっても勉強になりました。
ちらし2
メディカルラリーとは医師、看護師、救急救命士がチームを組んで、模擬患者を限られた時間内で的確に治療できるかを全国からの救急医療チームが集まり、病院前救護を行う事を競い合う競技会のようなものです
設定
関西が中心でしたが、全国の救命センターから普段よりドクターカー、ドクターヘリなどで病院前医療をしている21チームが、質の高い救急医療を実践していました。なんとJICAチーム(海外からもチームを編成)出場していた事にはびっくりしました。
JICA
現場へ向かう途中に他の傷病者発生現場に居合わせたシナリオや、

多数傷病者対応が必要とされるシナリオ、

DMATを要請し、DMAT隊員とも協力しながらトリアージを行っていくシナリオ

そして、乳児の症例や、虐待も考慮しなければいけないシナリオなど

BLS, ACLS, JPTEC, JATECはもちろん、PALSやMIMMSなどさまざまな基本的知識を当然理解した上で、Case by Caseで救急医療を行っていく柔軟性もとわれるとても興味深いシナリオばかりでした。
小児症例
事前学習、Off the job trainingをしているつもりでしたが、ラリーに参加するチーム、病院と同様の医療行為が病院前でできるかと言われると

当院ではシミュレーションが不十分で、現場への医療介入をするためには救急部のレベルアップ、医師のスキルアップ、意識改革などがまず必要だろうと思われました。
ゴミ屋敷
しかし、屋内での急変事例への対応や屋外運動中に倒れた傷病者への対応を必要とするシナリオは通常の救急診療の延長線上にあるものと思われ、当院救急部スタッフでもメンバーを厳選すれば対応可能というか、できなければいけないものと思われ、この経験は今後の診療に生かしていけるものと思われました。
交通事故シナリオ
現場にでるということは、質を担保する必要があり、そのためには誰が現場に出ても高い医療レベルを提供できなければ不十分。

そして、急変の現場では、共通言語、共通認識がなければやっていけないという事も痛感。

相当の準備と覚悟、仲間がいないとプレホスピタルにでるなんて、軽々しく言ってはいけないと思いました。

千里の道も一歩から、ちょっとずつがんばっていくしかないですかね・・

離島からの搬送

沖縄県ドクターヘリで、離島の診療所から重症、島では診る事が困難な患者様を本島内の病院に搬送していただいています。

当院ERでは、このお迎えの時間を研修医教育、救外看護師の教育と位置づけ、指導医とともにOn the job Trainingとして活用しています。
ドクヘリおりてくる
当初は、ヘリ搬送のお迎えもびくびくし、準備不足も多々ありましたが、事前学習なども繰り返しだいぶ準備もスムーズに、安全に確実に病院に搬入するために何が必要か、病院へはどういった情報を事前に流すと良いかなど、だんだんと成長してきているのを実感しています。
ドクヘリ2
今までは救急医ひとりで、研修医とともに病院を不在にしてしまうと、内科、外科の救急当番の先生にご迷惑をおかけしていましたが、救急医が増えた事で、病院前医療へもより積極的に参加、協力できる体制が整いつつあります。

重症患者の搬送が増えていますが、

がんばれ、Heart Life ER!!

次ページへ »