表示中の記事は2019年6月30日までの旧記事です。

珍しい急患

当直をしていると、いろんな患者さんにお会いします。

今日は、診察待ちの患者さんのご家族から

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「ほら、そこにいたよ」と頂きました。

ハートライフ病院は、沖縄県中城村と西原町の境目にあります。

くわがたくんも連日の猛暑に耐えられず、

エアコンの効く病院がよかったのかもしれません・・

永遠のゼロ

「永遠のゼロ」読みました。

きました、泣きました、響きました

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読み始めて「戦争もの」だったんだ、と気づきました。
うーん・・苦手なんだよね、と引いてしまいかけましたが、そろそろあの戦争がなんだったのか、総括する必要があるんだよね、もう自分もそういう年になっているし、子供達に伝えていかなければいけないんだよね・・と読み続けるうちに、ぐーっと引き込まれていきました。
今もあの頃もきっと変わらないものやこと、大切なもの、守りたいものに気づかされました。
いろいろ書きたいけど、書けない・・

でも、すごく、ぐーーーっとくる一冊でした。
価値観がかわる、世界がかわる、そんな一冊でした。
最近選挙もありましたが、連日報道されるテレビやマスコミに踊らされ(誘導されて)しまっている自分たちはもう一度大切なものやことに気づくべきだと思いました。
読み終えて数日がたちましたが、思い出すだけでまたうーーーっときてしまいます。
この夏、ちょっと暑い日にゆっくり読んでいただくと、すごくくるかもしれません。
夏休みわざわざ県外から病院見学に来ていただける学生のみなさん、
沖縄までの長い飛行機の時間にオススメです。

情報の共有(Communication tool)

救急隊からの病院への搬送依頼の電話の事をホットラインと呼びます。
今までは固定電話のみだったため、受話器を持った人に復唱をお願いし、現場からの情報共有をしていましたが、電話を切ったあとに聞き直すという、どうしても二度手間になってしまい、もったいないなと思う事がありました。
そこで病院にお願いし、3者通話や、テレビの救命センターで見るようなER内でのスピーカーなどの方法を検討していただくと、なんとウン十万円も設備投資にかかるという事がわかり、がっかり、あきらめていました。

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しかし、今回 ちょっと古いスピーカーをiPhoneにつなげる事で、救急隊からの連絡はスピーカーで初療室内へ伝わり、病院から現場への問い合わせは雑音を少なくするため携帯電話の通常会話モードを通して伝える事ができる事がわかりました。
これで、重症患者、救急搬送患者の情報共有が容易になります。
もっとよい救急医療が提供できるように、ハートライフERは前進していきます。

DynaMed導入

DynaMed は、臨床現場での利用を目的とした「臨床医による、臨床医のための」診療サポートツールです。
臨床医学的に系統だててトピックが収録され、臨床上の疑問を短時間で解決できる「EBM(根拠に基づく医療)」ツールとされています。
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「Up to date」があるじゃないか・・と思う方もいるかと思いますが、大きな違いは、困っているとき、今すぐに何をしなければいけないかを調べたいときなんかにはDynaMedで、ゆっくり、しっかり勉強したいときはUp to dateでという違いと、外傷や外科分野に強いという特徴があるようです。
まだお試し運用ではありますが、しっかり勉強していきたいと思います。
これからは、救急の現場や臨床の現場を、学習の現場に変えて行ける事ができそうです。
研修医の先生、一緒に頑張っていきましょう!!

救急救命士さんの実習

当院は救命救急センターではありませんが、年間2,500台の救急搬送があり、
メディカルコントロールを通じて、救命士さん達の実習、再教育なども積極的に引き受けております。
救急搬送だけでなく、搬送後の患者さんへの集中治療がどのように行われているか、
どういった処置が必要だったか、
日常の搬送後だけでは伝えきれないことをできるだけ実習で来ていただいたときに伝えるようにしています。
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自分のため、自分たちのためではなく、
中城、西原、宜野湾、与那原、南城市、沖縄市など当院へ搬送される事のある地域の皆さんのために、地域の消防のレベルをあげる事は重要な責任だと考えています。
医学生さん、研修医の先生、救命士さんと話をすると、みなさん救命に熱い想いをもっているってほっとする事があります。
まだまだ、僕たちは頑張れます。
頑張れるはずです。
ちゃんと助けるために、
みんなで協力しながら頑張って行きましょうねー。

アルコールは控えめに

ここ数日、アルコール関連の疾患で救急を受診される、搬送される患者さんが非常に多いです。
気持ちはわかります、
わかります
が、
酔っぱらっている皆さんは大声になり、威圧的になり、まわりの方に迷惑をかけている事にきづいていらっしゃらない方が非常に多い事がとても残念です。
そんな患者さんの対応をしてくれるERの看護師さん達も疲れてきています。
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一分一秒を争う疾患で救急搬送されてくる患者様の脇で、
「アル中は死ぬまでなおらない病気なんだ」
と連日のように飲酒し運ばれてくる患者様、
飲みすぎて吐き気が・・、タクシー代がないからと救急車に乗ってこられる患者様
などをみると、救急医療はなんのためにあるのか、と、本当にがっかりする事があります。

医療は平等に、
困っている方をすべて助けたい、
たらい回しなんかしない、
どんな患者さんでも救急搬送はすべて受けたい、
とは思っています。
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ですが、医療資源は有限で、救急告知病院は年々減少、夜間当直をしない先生も増え、研修医の先生も救急や内科、外科といった(体力的、精神的にも)きつい科には来たがらない傾向はますます進み、救急領域ではなり手が減り、高齢化も進み、当直できる医師の負担は増加、救急搬送も増加、近隣の病院が制限を始めた事で、walk in患者も増加、当直あけも通常勤務が続いて行く、翌日休みを確保する現実的な案がもてない現状からは、「助けたい」という熱い気持ちに頼る、甘えるだけでは、救急医療は限界に来ているんじゃないかと思ってしまいます。
いや、いや、いけないですね、愚痴ってますね・・
これは、リフレッシュが必要です。
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もしくは、熱い想いを持ったひと達と話をする充電が必要です。
ちょっと、飲みにでも行きますか・・
でも、
「酒は飲んでも、呑まれるな」ですよね。

医療技術部勉強会

病院は、医師、看護師だけでは動きません。

放射線技師、薬剤師、臨床工学技士、検査技師、栄養士、リハビリなどなどたくさんの職業の方に支えられて成り立っています。

しかし、沖縄は離島であることで、沖縄県内では取得できないたくさんの資格があり、そのため資格取得のために県外へでなければ行けない職種もたくさんあります。

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今日は、そんな病院をしっかり支えていただいている医療技術部の紹介

(どうやって資格を取るか、学費はどのくらいか、給料はどのくらいかなど突っ込んだ話も)

ということで職員のご家族さんたちもたくさん参加しての勉強会が開かれていました。

中学生や高校生、未来のハートライフ病院の仲間達がたくさんいた、

気がしました。

医療の現場はきつく、つらいかもしれませんが、

やりがいのある、感謝される、必要とされる現場でもあります。

明日の沖縄の医療を支えるのは、君たちです。

ぜひ、医療の世界へ・・

待ってますよー

HMIMMS 院内伝達講習会

先月末に行ったHMIMMSの伝達講習を院内講堂で行いました。
ちょうど救命病棟24時で多数傷病者発生時の初期対応が放映されていた事もあり、参加された皆さんの高い意識を感じる事ができました。
医局、看護部、事務からも参加して感じた事を発表してもらうと
①CSCATTT の重要性に気づいた
②災害は4期に分けて考える。
③多数傷病者発生時、対応するときの役割をとした組織図作りが必要だ
④アクションカードを作りたい
この4つに話が集中していた気がします。
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他にも、いろいろ受講した皆さんには感じるところがあったんだと思っていますが、
今回の受講で、災害、多数傷病者対応時に共通言語、共通の認識、共通の考え方ができる職員が増えた事が一番大きな収穫だったと思います。
とくに、あちらからもこちらからも CSCATTTの話が出てきてくれた事は、院内にこの考え方が広がって行く事も期待できそうです。
CSCATTTは災害のときだけじゃない、普段の救急診療、重症患者への診療などにも使えるとっても重要な考え方です。
うまく行かなかったときは、CSCATTTのどこに問題があったのか、
頭が真っ白になってしまった、そんな困ったときには最初にもどって考える
その最初というのが、このCSCATTTに戻るという事なんですよ
と言う事がMIMMSを受講していないけど今日の伝達講習を受けにきてくれた皆さんに伝わっていたかが聞きたいところです。
みなさん、おつかれさまでした。

でも、災害対策はこれからが本番ですから、これからもよろしくお願いしますねー。

臨床救急医学会

東京国際フォーラムで行われた臨床救急医学会に参加してきました。
救急学会といわれると日本救急医学会とよばれる専門医制度をもつ学会の事を言われる事が多いのですが、臨救とよばれるこちらの学会は救命士さんや看護師さんも多く参加されておりました。
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多発外傷患者へのAcute care surgeryとしての緊急開腹、ガーゼパッキングは当然のように行われる救急処置となっていることを再認識、外傷に対して標準化された初期治療が日々進化し、各科専門医の先生方にも救急領域のめまぐるしい進歩にともない、当然の処置となってきていることを認識していただければと強く思いました。
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当直をする外科系の先生にとっては必須の技術になってくると思われました。
内科系の先生でもJATECなどを受講している事は当然、必須ですが・・

また、新型インフルエンザによる急性呼吸不全に対してECMOを積極的に使用している施設で救命率が高かったのは、ECMOが有効だったのではなく、ECMOをしっかり使いこなせるレベルの高いスタッフがいる病院に運ばれたから救命率があがったんだという発表は、がーんという衝撃を受けました。
「自分がいれば助かった」「自分がいたから助かった」ではなく、「自分がいなくても当然助かる」ようにみんなのレベルアップをはかる必要がある事を痛感しました。
救命士さんや研修医、看護師さんへの教育体制、JTASといわれる緊急度判定システムや、消防との連携などなど、学術的というよりは、臨床の現場に即した刺激を受ける発表が多い学会です。
来年は、医師だけでなくたくさんのコメディカルと参加できるよう、準備をすすめたいと考えて帰ってきました。
今回の東京も1泊2日、滞在時間はわずか26時間の強行軍です・・

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来年はすこしゆっくり勉強できるといいんだけどなぁ・・

http://www.jsacs.org/special/?id=1986

名刺交換

医師になって10数年、特に名刺を作った事はありませんでした。困った事もありませんでした。
ですが、最近いろんな病院のいろんな先生と名刺を交換、頂く事が増えてきました。
病院に名刺を作っていただける事になり、折角なのでおしゃれな、こんな感じで・・と頼んだらだめと言われました。
他の病院の先生方はどうでしょう・・
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一般的には、病院から支給される味気ない、面白みのない名刺がほとんどで、連絡先、メールなどをコンピューターなどにうつした後には捨ててしまうこともあるのですが、中にはおっと思う名刺があります。
似顔絵がついたものもいいですね
そして、
赤十字病院の先生の「人間を救うのは、人間だ。Our world. Your move」
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かっこいいですねー、ぐっと来ますね・・
でも、圧倒的なのは、先日講演を頂いた福井大学救急総合診療部の林先生の名刺
驚きでしかありません。
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一民間病院の当院ですら、決まった形でなければ名刺を作ってはいけないのに
大学病院にも関わらず、この圧倒的な想像力!創造力!!
たかが名刺でしょ、ではなく
たかが名刺に圧倒的な力を持たせてしまう、型にはまらない独創性
やっぱり人を惹き付ける魅力を持った人はちがいますねー

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