曖昧な性器 (1)

ネパールを襲った土石流は、死者1000人以上、る行方不明者4000人以上という大災害となっています。避難する間も与えないほどの無慈悲な自然の脅威の前には、なすすべありません。ただ身をすくめるのみです。この土石流、氷河の崩落が招いたようです。それは突き詰めれば、地球温暖化の結果ということになるのでしょうか。
温暖化対策は全人類に課された使命です。今、全人類で取り組まなければ、間に合わないような気がします。愚かな戦争の余地などないはずなのに、世界は、あまりに多くの戦争・紛争で満ちています。そういう悲観的にならざるを得ない現実の中でも、瓦礫から救出され少女のニュースは、まだ間に合うかもしれないという微かな希望を残してくれました。

曖昧な性器とは?

「曖昧な性器」とは、”Ambiguous genitalia”の直訳です。男の子なのか、女の子なのか、判別つかない外性器のことを表現する用語です。胎生期性器の発生・分化段階に異常があると生じます。

前回ブログの陰唇癒合症は後天性の疾患ですが、先天的に癒合することはあるのでしょうか。

実は、先天的に小陰唇(正確には、小陰唇相当の部分)が癒合することがあるのです。性器発生・分化のある時期にテストステロン(男性ホルモン)が強く作用するなら、小陰唇は癒合して、男性の尿道となるのです。そんなバカなと思うかもしれませんが、性の分化の過程では、あり得るのです。胎生期初期の外性器の発達・分化は男女で同等だからです。
今回は、そのような男女の性器の発生・分化の話です。

胎生の5週目ごろに中胚葉の一部が隆起して泌尿生殖堤(urogenital ridge)ができます。8週目ごろになると、この泌尿生殖堤には性腺の原基と2つの管腔構造が現れます。管腔構造のうち一つはウルフ氏管と呼ばれ、男性では将来精管となります。もう一つはミューラー管で、女性では将来は卵管、子宮、膣上端となります。

この時点では、全ての胎芽(embryo)は、男性と女性どちらの性にもなれる能力を有しています。ただし、性腺の分化は、女性形になるように初期設定されていますので、後述するように、テストステロンやミューラー管抑制物質の作用がなければ、ウルフ氏管は退縮し、ミューラー管が分化していくので、最終的には女性形となります。

 

 

 

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