赤ちゃんのオムツ替えをしている時に気づく疾患(2)つづきのつづき

赤ちゃんのオムツ替えをしている時に気づく疾患(2)つづきのつづき

10年前の傷も完全に癒えていないうちに、最大震度7の地震がまた熊本県を襲いました。テレビのニュース映像は、まるで10年前を再現しているかのようです。築き上げてきたものが破壊され、全てが振り出しに戻されたかのようです。被災した皆さんがこの苦難を乗り越え、1日でも早く元の日常を取り戻すことができるように、祈るばかりです。

鼠径ヘルニアの続きです。
鼠径ヘルニアの治療は、手術です。ヘルニアの入口(ヘルニア門と言います)を閉じる手術です。小児外科では、主に2つの術式があります。切開法と腹腔鏡法です。
前者は、Potts(ポッツ)法と呼ばれ、鼠径部を切開(約1〜2cm)し、ヘルニア門を閉じ、ヘルニア嚢を切離します。
後者は、LPEC(エルペック)法と呼ばれ、腹腔鏡で確認しながら、鼠径部から針を刺入し、ヘルニア門を閉じます。LPEC法の最大の特徴は、術中に両側の鞘状突起が観察できることです。もし、反対側の鞘状突起が開存していれば、そこも閉じます。このことは、LPEC法最大の利点と思われています。
しかし、留意しておきたいことがあります。それは、「鞘状突起開存が、必ずしもヘルニアであることを意味しない」ということです。少しでも鞘状突起開存があれば、閉じてしまうような現行のLPEC法は、将来ヘルニアにならないような小さな鞘状突起開存を閉じているのかもしれません。
小児の場合、術式の選択権は、保護者にあります。Potts法、LPEC法、どちらの術式にもそれぞれ長所・短所があります。十分に説明を受け納得した上で手術に臨みましょう。

いつ頃手術を受けたら良いのでしょうか?通常は、定期的な外来通院で経過を見ながら、保護者と相談し手術時期を決めます。ヘルニア以外の基礎疾患がなければ、年齢では1歳ごろ、体重では10kgに達した頃を手術時期と考えています。
しかし、手術時期を早める場合もあります。それは、嵌頓症状(かんとん)がある時です。嵌頓とは、腸管がヘルニア嚢の中にはまり込んでしまい、戻らないことです。嵌頓すると腸管は、ヘルニア門のところで締め付けられることになります。腹痛、嘔吐、腹部膨満などの症状が出現します。ほとんどの嵌頓は、徒手整復で改善しますが、嵌頓が長時間続くと、腸管虚血から壊死、腹膜炎へと進行し、危険な状態になります。そのため、嵌頓したことがある場合は、年齢・体重に関係なく早めに手術を行うことになります。

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