Life span より Health span
人生100年時代が謳われてから久しくなります。確かに最新の日本人平均寿命では男81.35歳、女87.33歳と伸びてきています。しかし、大事なことは、いかに健康寿命を伸ばしていくかということです。
健康寿命とは、「健康上の理由で日常生活を制限されず生活できる期間」のことです。厚労省の発表(2022年)では、男72.57歳、女74.45歳でした。
厚労省は、健康寿命を延ばすために「攻めの予防医療」を公表しています。栄養・食生活、がん・循環器病、歯科保健、認知症、リハビリテーション、性差ヘルスケアの6領域に働きかける施策です。
具体的には、継続的なウォーキング・筋トレなどの運動、肉・魚・豆類などバランスの取れた食事、良質な睡眠、家族・友人・地域社会との交流、定期的な健診などが挙げられます。
健康寿命を延ばしていく先の究極には、スーパー高齢者(super-ager)があります。スーパー高齢者とは、記憶力は50〜60代とほぼ同等で、認知機能も同世代を上回る、80歳以上の高齢者たちのことです。
ここハートライフ病院には、多くのスーパー高齢者候補が、第一線で活躍しています。それらを自分の刺激にしながら、得難い毎日を過ごしています。

卵黄嚢管が残るとどうなるか
卵黄嚢管は胎生5〜7週ごろから退縮し始め、8〜9週ごろには消失します。卵黄嚢管が完全に消退せずに残存すると、尿膜管遺残と同様に、瘻孔、洞管、嚢胞、腸管粘膜遺残、索状物などのさまざまな病態が出現します。
卵黄嚢管は、卵黄腸管、あるいは臍腸管とも呼ばれ、その遺残に由来する病態は卵黄腸管遺残、あるいは臍腸管遺残症と総称されます。以下、臍腸管と臍腸管遺残で統一していきます。
臍腸管が臍の近傍での臍腸管遺残の場合には、臍洞や臍直下の嚢胞となります。臍洞は腸管粘膜を含んでいますので、悪臭のする液が分泌され、臍周囲はかぶれてきます。早めに皮膚を保護しないとビランや潰瘍形成につながります。嚢胞に細菌が感染すると膿瘍化します。
臍に肉芽腫様の腸粘膜が遺残することもあり、悪臭のある分泌液で周囲の皮膚はかぶれます。肉芽腫との鑑別は、エコー検査が有効です。
臍の根元から索状物が腸管へ伸びていることもあります。この索状物は、腸捻転や絞扼性の腸閉塞の原因となることがあります。索状物の一部に臍腸管遺残があり、嚢胞となることがあります。。
臍腸管が臍から回腸末端まで開存していると、臍から腸管内容物(便)が排出してきます。これは臍腸管瘻孔と呼ばれます。
臍腸管遺残症のよく知られた疾患として、メッケル憩室があります。これは、回腸の一部から袋状に伸びています。そのサイズや内腔の粘膜組織により発現する臨床症状に違いが見られることがあります。
上記さまざまな病態を把握していれば、診断は比較的容易です。画像診断としては、エコーに加えて、瘻孔造影が有効です。急性腹症発症時や、嚢胞形成型に対しては、CT検査も有用です。
治療は、手術による病変部の完全切除です。臍からの根治術が可能ですが、急性腹症の場合は、開腹術あるいは腹腔鏡手術となります。
