便秘の子を見るとき時考えること (1)

便秘の子を見るとき時考えること (1)

テーマは「最新技術の応用」

小児外科学会へ参加してきました。テーマは「最新技術の応用」抄録には、AI、ロボット、再生医療などの用語が並んでいました。ハードル高いと感じつつも、楽しんできました。
以下、簡単に紹介します。
組織を色素で光らせる蛍光ガイド手術は、血流評価、胆道造影、腫瘍蛍光などに応用されています。
ロボット支援手術は、da Vinci SP system(単一ポートと3本の多関節鉗子)により、体重10Kg以下でも可能です。
XR(VR、AR、MRなど)により、画像の三次元的理解が容易となりました。
抗体と光化学反応を組み合わせる光免疫療法は、標的細胞のみの破壊を可能にしました。再生医療分野では、ヒト多能性幹細胞から三次元オルガノイド(ミニ腸)を構築しています。
人工子宮とは、胎児期同様の循環維持装置のことです。ヒツジ胎仔EXTEND systemにより人工子宮の研究が進んでいます。早産児の救命、先天性奇形の治療など臨床応用が待たれます。
極細径内視鏡や多関節鉗子などの医療機器が開発され、使われています。
現在最先端施設のみで可能なこれらが、10年後はどこでも当たり前になっていることを夢見ながら会場を後にしました。

便秘診療の進め方
便秘の診療も小児外科診療の多くを占めています。もちろん、鎖肛やヒルシュスプルング病といった小児外科の代表的な疾患の排便管理も行なっていますが、そういう疾患以外の新生児・乳幼児、学童期と幅広い年齢層が、便秘を主訴に外来を訪れます。
便秘・排便障害につながる病態はさまざまですが、外来診療の進め方はシンプルです。まず出生時から現在までの排便状態をしっかりと把握することから始めます。排便状態をしっかり把握することにより、排便改善への手がかりが見えてきます。以下、小児外科外来での便秘診療の詳細です。

排便状態の把握
まず新生児期の排便状況について確認します。生まれた時の排便状態はどうであったかを聞きます。
通常、正期産児の場合、生まれてから24時間以内、遅くとも1日半ごろには最初の排便(胎便排泄)があります。この初回排便が遅かったかどうかを訊ねます。胎便排泄が遅かった場合、どうやって対処したのか、その後はどうだったのかについても聞きます。
胎便排泄が遅延したと聞くと、鑑別診断としてヒルシュスプルング病が頭に浮かびます。しかし、まだ最有力候補ではありません。典型的なヒルシュスプルング病であれば、腹部膨満や嘔吐などの症状が付随し、小児外科は新生児からすでに診療に関わっている場合が多いからです。それでも稀に、新生児期に確定診断に至っていないことがあるので、完全に否定はできません。
新生児期の排便状況確認を続けます。
生まれてから大きな問題もなく、母児ともに自宅へ帰った場合、今度は自宅での排便状況について聞いていきます。オムツを開けるたびに便が出ていたのかどうか、1日何回ぐらいオムツを替えていたのかなどを訊ねます。便の色、量、匂いなど、性状についても確認していきます。母乳栄養なのかミルク栄養なのかについても聞きます。最終的に、新生児期(生後30日まで)の排便状況が完全に把握できるところまで聞いていきます。

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