今年も陸上自衛隊那覇駐屯地で行われた「美ら島レスキュー」
今回は、チームのみんなとSCUの訓練を運営するコントローラーとして参加させていただきました。
机上訓練も体育館で行われるのですが、今年は、SCUの実動訓練への参加希望DMATが多いということで
訓練のための訓練にならないように、今までよりもリアルな訓練を目指して
「ひと」「もの」「じかん」を考えた実際の災害対応に即した訓練想定を組ませていただきました。
- 時間、時間軸を考えた活動。
今までの訓練では、はい、点滴しました〜、胸腔ドレーンいれました〜、挿管しました〜と実際に手技を行っていないため、傷病者の安定化が容易にできてしまっていたので、手技にかかる時間を訓練参加者と相談し、点滴「3分」創処置「5分」挿管「6分」の活動停止と設定し、訓練を実施しました。
- もの、資機材を考えた活動。
訓練では、酸素を「何リットル/分」で投与とすれば、酸素の残量を計算、残り時間を付箋で貼ってもらい、制限時間内で搬出することを心がけていただきました。
- ひと、傷病者のことを考えた活動。
傷病者の想定も十分な輸液なしで患者搬送をこころみたり、処置後にバイタルを確認しない場合には、ちょっとだけ急変、したりする想定を準備させていただきました。また通常の診療と同様、若い女性の患者の処置を、目隠しなしで行うことはないよね、と申し合わせたおかげで、たくさんのスタッフによる目隠しが行われたことは良かったのではと思います。
- 現場医療シナリオの導入
訓練参加チームが多く、途中間延びすることが予想されたため、新たな倒壊現場に多数の救助が必要な傷病者がみつかり、現場へ医療班を投入するシナリオを準備しました。
トリアージタグの記載不十分や、搬出手段の確保困難などで、STARTトリアージ後にSCUに搬入するまでに1時間以上が経過する、など、消防力が少ない現場での大変さを実感していただき、MCLSなどの受講はもちろん、所属での勉強会などで振り返っていただく機会になったのではと思われました。
こんな負荷をかけた訓練ができるのも、顔の見える関係、いつも連携している仲間だからこそと考えています。
訓練に参加されたみなさんにとって、
勉強になった、 参加してよかった、もっと頑張りたいと思った
というご意見がいただければ、訓練想定を作らせて頂いた甲斐があったと思っています。
また来年もよろしくおねがいしますね〜〜