地震からの津波被害、そして孤立集落からの多数傷病者救出・救助が
被災翌日から始まったという想定での実動訓練
前回までのように傷病者搬入口を、重症(救急車)と軽症(Walk in)にわけて・・でなく
すべての傷病者入口を正面玄関とし、そこでトリアージ、受付を行うことで
いままでの訓練での入口での混乱を抑えることができました。
災害発生時にもっとも多数となる、歩行可能だけど処置が必要な「緑」の傷病者は、内科外来前に待機してもらい、急変を察知できる看護師を中心に継続観察、帰宅希望者への対応手順も確認することができました。
歩行不能、入院・手術などの治療が順番待ちとなる「黄色」の傷病者のみなさんは、
通常であれば、医療資源の置かれている中央処置室を中心に対応することになると思いますが
実際の外来患者さんもいらっしゃるため、中央処置室からあふれるほどの患者が発生したときの対応として
内科と整形外科の間のスペースを利用し、待機椅子や、簡易ベッドを配置し、患者対応を行いました。
そして最重症、緊急治療が必要な赤エリアは、ERを実際に使用して患者対応を行いました。
今回の赤エリアのリーダーを担当してくれたのは、2年目研修医の本永先生
ERを所狭しと動き回り、医師にしかできない処置、治療を行いながら
通常ER診療を行わない看護師さんたちへ的確な指示を出しながら多数傷病者対応をしてくれました。
そして、誰を一番に入院させるか、誰を一番に手術室に連れて行くか、当院で対応できない傷病者をどこに、どの順番で搬送するかを決める診療指揮所には統括DMATの国吉先生が担当
今年、他院からDMAT資格をもつ看護師として当院ERに異動してきた仲村看護師は、
当院で行なっているこの災害対応訓練が現実的で本格的なことに驚いていました。
そして今回の想定のような地域全体で災害対応をしないといけない被害がある場合には
院内の状況や、近隣の状態なども把握し、病院として機能を維持させて行くための方策も考える必要があり
院内災害対策本部を2階講堂に設置し、院長、副院長をはじめとする本部要員が本部活動を行いました。
今回の訓練(想定)では、約1.5時間で患者搬入が落ち着きました。
局地災害では急性期の対応が概ね2〜3時間で収束するとされる中、限られた時間内で初期治療・安定化・搬送までを適切に行えたことは大きな成果です。
これだけの患者数、しっかり初療を行い、安定化させ、適切な場所へ搬送することができるようになったことは、災害拠点病院として、褒められる成果、結果ではないかなぁと思いました。
訓練終了後には、振り返りをそれぞれのエリアのリーダー、本部長などからご意見、次につながる提案をいただきました。
まだまだ、医局からの参加が少ないという大きな問題はありますが、
災害拠点病院でも、DMAT指定医療機関でもなかった当院が、ここまでの訓練ができるようになったこと
そして、訓練参加者のこの「やりました」「やりきった」という表情、達成感を得た感想からは
間違いなく、当院の災害対応のレベル、裾野は、
病院全体として、組織として、面として広がっていることを感じます。
訓練にご参加いただいたみなさん、ご協力いただいた関係部署、機関のみなさん、本当にありがとうございました〜〜