表示中の記事は2019年6月30日までの旧記事です。

JTAS高知

トリアージという言葉は、日本では災害に対して使用されることが多いため通常の救急診療においてトリアージという言葉を使用すると何か特別な、多数傷病者が発生したときに利用されるシステムの様に感じられますが、通常救急診療において重症患者を見極め、優先的に診療するというあたりまえのことを、各人の経験に基づいた特殊技術からiPadを用いて普遍的に利用できるものにしようというJTASシステムの利用の仕方を高知医療センターで勉強してきました。

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このトリアージ(緊急度判定)を導入することでは、残念ながら救急患者の待ち時間を減らすことにはならないそうですが、緊急度(重症度)の高い患者を早めに診察するという本来の救急診療を効率的に行えるようになるということです。

来院後15分以内を目標にすべての患者がトリアージを受け5段階に優先度をつけられ、トリアージレベルによって1:継続しケア、2:15分毎、3:30分毎、4:60分毎、5:120分毎、に再評価が求められていることで、優先度の高くない患者へも、適切な時間に介入が行われることで、患者、家族は自分たちが適切なシステムの保護下にあることがわかり、不安が緩和される効果があるということが導入された施設で経験されてきているということでした。

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(坂本龍馬は脱藩中でお会いできませんでした。)

しかし、まだ完全に出来上がったシステムではなく、2ヶ月毎にアプリケーションも更新されていくなどこれからのシステムではありますが、当院で独自に行っているトリアージ方法と上手に組み合わせることでより効率的なトリアージが実践できそうな印象を持って帰ってきました。

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夕日でついて、夕日で帰ってくる 滞在時間24時間の厳しい日程でしたが、これから、当院で上手に使えるシステムにできるか電算室のみなさんに相談にいかなくては、です。

当院の夜明けは近い!?ぜよ??

近隣消防との連携

当院は沖縄県中部MC(メディカルコントロール)に属しますが、南部地区MCに属する消防の皆さんからもたくさんの救急搬送をいただく病院です。

3ヶ月に1度の程度で、当院へ搬送いただいた患者様の搬送時に悩んだこと、搬送後の経過、初期治療などについて検討する救急症例検討会を行っています。

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今週行われた検討会では、院外からの多数の参加に加え、院内の職員の皆さんの参加も増え用意した椅子が足りなくなってしまうほどでした。

病院前救護と病院内救護はお互いが補い合って、良い医療が実践できるものだと思っています。

今回は時間どおりに、メリハリのあるDiscussionができ、研修医の先生のスライドもだんだん良くなっている気がします。

K吉先生の外傷患者のプレゼンは、シンプルながらも繰り返されることで、JATECの「Primary survey」「Secondary survey」という基本的な考え方を研修医の先生や、職員にも徐々に浸透してくる気がします。

伝えたいことは、何度でも、繰り返し、もういいよ、わかっている、と言われるくらいまで伝えるのが効果があるんだと思います。

みなさん、遅くまでおつかれさまでした。これからもよろしくお願いしますねー。

手術数でわかるいい病院2013

なんと、大好評!

手術数でわかるいい病院2013

ハートライフ病院は・・・・・じゃかじゃかじゃかじゃん!!

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ん  ;-) 、んんっ  8-O

ペースメーカー 0件、心カテーテル 0件!!!

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おおーーい、おいおーーーーい

頼みますよー、間違ってますよーー

心カテーテルはきっとPCI(たぶん心臓カテーテル治療)のことを言っているんだとおもいますが、こんなに頑張ってるのに!?しっかり治療してるのに!? 「0」とな・・  8-O

手術の件数で技術の善し悪しを言われても、手術数でいい病院を評価するということ自体がちょっとね、というところもありますが、でもそれにしても「0」はないよね。

それにきっとたぶん、その隣の乳児外科・・、これも間違いでは・・・

頼みますよーーー、しっかりしてくださいねーーー!

JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)導入

日本の救急医療は、コンビニ受診をする患者様で破綻寸前ですというのは簡単ですが、ある程度軽症かもしれないけど、医療の素人である自分には重症度はわからないから、病院を受診する、近所の人の目もあるから救急車は呼ばずに家族の車で受診する。ついてみたら、重症ですよ、なんでこんなになるまで放っておいたの?こんなに具合が悪いときは救急車で病院に来るもんですよ!といわれたりした周りの人もいるのではないでしょうか?

救急外来はすべての患者の入口、一次、二次、三次ですからと言っていられる都会の病院とは違い、沖縄県内の二次救急病院はどこもだいたい一次〜2.5次の救急患者さんを引き受けています。

ただ、walk inの軽症患者さんが多いと重症患者さんの搬送引き受けに困る、救急搬送される患者さんの初期治療が遅れてしまうのはもっと困るという事態が発生します。

ということで、ハートライフ病院では「JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)」といわれる緊急度判定支援システムの導入を検討しています。

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やりかたは、簡単。

iPadを使って、患者さんの主訴や病状にあわせてぽんぽんぽんっとうっていくとあら不思議、重症度判定が・・・

でることはでますが、そこはやっぱり機械です。ん、んんっと思うところや、物足りないところがたくさんあります。

機械に使われる人ではなく、機械を使える人になる、上手に機械を利用できる人になる必要があるのかなと思っていますが、偉い先生方が開発したこのシステムを使いこなせるようになるため、今週末は連休をつぶして県外まで研修に行くことになりました((_ _。)・・・)

ただ、こうした機械やシステムの導入、研修にサポートしてくれる理解のある病院管理職の皆さんにはほんとに感謝<(_ _*)>しております。

さて、どういかしたらよいか、一緒に考えていきましょうね!

締め切り間近 心リハ学会

当院は、昨年夏から心臓リハビリを行える施設となっています。

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心臓リハビリは脳卒中や他の外科手術後のように機能を回復させるためのリハビリではなく、心筋梗塞を起こしてしまったことは仕方がない、でも次に起きてくる心不全はしっかり予防しましょう。他の危険因子もしっかり是正し、整えていきましょうという積極的なリハビリです。

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ただ、心電図監視下に自転車をこぐだけではない、

疾患の教育、生活指導、栄養指導などもリハビリに組み込み、当院の守るべき地域の循環器疾患の患者様の健康を支える大事な仕事です。

でも、大事なことは「井の中の蛙」になってはいけません。

ハートライフ病院の中だけ、この地域だけ、沖縄県内だけ、で周りの施設と足並みを揃えてやっていこうよ、ではなく

もっと、高いところ、全国のさまざまな施設が、循環器疾患を持つ患者様へどう積極的にアプローチしているかについて勉強し、よりよい医療を目指していく必要があります。

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そのために、全国学会に参加する、参加するために演題を出す。そんな演題を登録する締め切りが、なんと数日後にせまっていることに気づきました。

締め切りまで、100時間を切っています。

今からです。がんばって、演題をつくって、みんなで仙台に勉強しにいきましょう!!

日本版敗血症診療ガイドライン

昨日は、昨年末に改訂された日本版敗血症診療ガイドラインについての勉強会を行いました。

たくさんの看護師さんの参加、ありがとうございました。

いつまでも、「昔からやってるこのやりかたで間違いないんだ・・」「俺は、こうやって患者を助けてきたんだ・・・」

という経験論だけの医療をしていると、「あなたの常識、世間の非常識」になってしまいます。

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たくさんの臨床研究の結果に基づいた医療、Evidence based medicineは医療の基本です。

すべて、ガイドライン通りの治療をしなさいという訳ではありませんが、ガイドラインをしっかり理解した上で、オーダーメイドの医療を提供していく、ことが重要なのではないかと思います。

枚数は、多いですがインターネットでダウンロードすることもできます。

参加できなかった皆さん、しっかり勉強してくださいね!!

[PDFデータ]

診療応援

ハートライフ病院は地域医療支援病院です。
急性期治療が終わった患者様は、近隣の開業されている先生方へおかえししています。
ただ、専門科の診療の継続が必要となる場合もあり、当院で経過観察を続ける場合もありますが、通院が困難な患者様を抱えておられる診療所へは、診療所の先生の要請があれば診療の応援をしている場合もあります。ここM野クリニックは、地域の中心となっている脳外科を中心とした診療所。
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当院からは循環器内科、血液内科、整形外科、脳外科からの応援診療を行っています。
大変ではありますが、地域の患者様の健康を守る、これも大事な仕事です。
個人的には、診療所から病院までの帰り道にある支店もいっぱいできちゃいましたが、
この「玉家そば」本店によって来れるので
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たまにはいいかな

とも思っています。

指導医日記3年目突入。

なんと、この指導医日記も3年目に突入していました。

と、いうことは始めた頃にいた研修医の1年目はすでに後期研修医の現1年目、今年2年目(つまり4年目の先生)ということになります。

早いものです。

が、かわらないものもあります。

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病院の売店のカップラーメン。

たぶん、この「緑のたぬき」は3年前から、いやいやもっと前から売店のこの定位置においてあります。

定番商品で、悩んだとき、つらいとき、疲れたとき、選ぶのがおっくうなとき

はずれない味です。

当院も、地域のみなさんにとって、はずれない病院、困ったときに頼りになる病院でありたいと指導医は考えています。

ムーチービーサー(鬼餅寒)

ムーチーを食べる旧暦の12月8日(新暦の1月下旬から2月上旬)は沖縄では最も寒い時期とされています。

が、今年は暖かかった。

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でも、ムーチー「鬼餅」の由来がこんな話とは知りませんでした。

http://okinawan.jp/minwa/minwa011.htm

沖縄本島の民話による。昔、首里(現在の那覇市首里)から大里に移り住んだ男が夜な夜な鬼になって人畜を襲うことから、その男の妹が憂いて、鉄釘入りのムーチー(鉄の塊とする場合もある)を兄に食べさせ、弱ったところを海に蹴り落として殺した。このように、鬼退治にムーチーが使われたことからと「鬼餅」と呼ばれることとなった。なお、その日が旧暦12月8日であったことから、その日は健康・長寿を祈願してムーチー(釘は入っていないもの)を食べる慣わしとなった。

血液ガス分析装置

今年も「ちゃんと助ける救急部」を目指して頑張っていきます。

数ヶ月前からお願いしていた乳酸も測定できる血液ガス分析装置と、心筋逸脱酵素、CRPなどがERで迅速検査ができる機械が導入になりました。

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敗血症の診断、治療の評価には「乳酸クリアランス」が必要でしょう!?

そうなんです、だからICUまで走って計測してもらっていたんです・・・という救急外来Nsの負担がだいぶ減ります。

また、あやしいな、心筋梗塞っぽいけど・・・と言う場合にも「トロポニンI定量」

CPKあがってるけど、分画は心筋?横紋筋?・という場合には「CPK-MB」「ミオグロビン」測定

ぱっと見、心不全、腎不全ありそうだけど・・という場合には「NT-proBNP」

など、より正確に診断ができるようになります。

そして、いままで、血ガスのキットどこ?と探しまわることが多かった血ガスキットは

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迅速診断装置のとなりに、PEGの空箱を手作りで設置しました。

これからも、お金をかけずに頭を使って、改革をしていきたいと思います。

よろしくお願いします。

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