表示中の記事は2019年6月30日までの旧記事です。

スポーツ医学

「スポーツドクター」というと、サッカーグランドのそばやボクシングのリングサイドにけがの処置をするために準備している整形外科を中心とした外科医をイメージされる事が多いのじゃないでしょうか?
関節
間違っていません。日本のスポーツドクターの8割以上は整形外科医だと思います。
しかし、
「大きな大会の前になると緊張して、いつもの半分も力が出せない」
「試合の前日は眠れない」なども整形外科医に聞くといいのでしょうか?
 医学は細分化され、内科医であっても専門以外はちょっと、外科医であっても当直の時間帯ですら内科の患者は内科でみるべきだろ、自分は整形外科なんでおなかのことはちょっと、息苦しいのはもっと・・・などと言われる先生方に持病の喘息が、大会前に悪くなったとき相談できるでしょうか?
頑張ってる研修医
 いえいえ、なにも特殊な選手達ばかりを指導するのがスポーツドクターの仕事ではありません。
「来年自分、エベレストに登りたいと思っているんだけど大丈夫ですか?」とは誰に聞くといいのでしょう。
 実は、そういった全身を診る事ができる医者というのは、総合診療のできる医師なのかもしれません。
 そして、急変した場合に迅速に対応できる医師としては、救急診療のできる医師なのかもしれません。
TOKYO 2020
 2020年東京でオリンピックが開催されます。
 でも、不幸にもテロが起きてしまった、多数傷病者が発生したときに、どう動くかわかっている災害医療にも明るい医師が必要です。
 あっという間に、オリンピックはやってきます。
 きっとこれからの数年で日本のスポーツ医学は急速に進歩するんでしょう。
 さあ、勉強するならいつでしょう?
スポーツ医学
今でしょ!!
  ということで、これからは
「総合診療」+「救急医療」のできるスポーツドクターが必要とされる時代になってくるんではないかと思っています。

FDM: Fundamental Disaster Management

日本の救急医療は三次救急といわれる高度の救急集中治療を提供する施設が多かったところから、一次から三次までの初期治療をおこなうER診療、 さらに病院前への医療の投入、早期医療介入を目指したドクターカーやドクターヘリなどの利用も非常に増えてきています。 また、災害医療においてもDMAT(Disaster Medical Assistance Team)、NBC災害・テロ対策研修、NDLS(National Disaster Life Support)、MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)など災害現場から病院への受け入れまでを教育するコースが開催されるようになり、救急隊はもちろん、警察や消防組織との連携も共通言語、共通言語を用いることで意思の統一がなされてきている現状があります。

FDM テキスト

しかし、傷病者を受け入れて院内で集中治療を行うにあたってのマネージメントをどうするか、簡単に言うと、トリアージをしました、赤タグなんで→ICUへ、ORへ、と言われても医者も看護師も、ベッドもないですし、レスピレーターもたりませんよ、どうするんです?という事に関しては教育されるコースがありませんでした。

金沢医大

今回、アメリカの集中治療学会(SCCM)のコースの日本版が金沢で数年ぶりに開催されるという事ではるばる飛行機を乗り継いで行ってきました。

受付は朝7時30分、講義開始は8時と大変なコースでした。

北鉄

アメリカからこのコースを持ち込んでいただいた諸先生方には本当に頭が下がります。
ただ、なにぶん範囲がひろい、自然災害から人為災害(CBRNE、テロ)までの概論とマネージメントまでを一日で教えきるにはちょっと時間が足りない印象がありました。他のコースを受けた後では、きっとうんうん、と思えるんでしょうが、初めて受けるのがこのコースだと消化不良で、もっと事前学習をしっかりしておけば良かったと思うのかもしれません。
そして、残念な事に日本語に翻訳されていない現状からは、大事な事は、コース受講後速やかに「しっかり復習」する事だと思います。
FDM 内容

折角の機会を無駄にしないためには、とにかく早く、忘れない、新鮮なうちに「復習」をする必要があるものと思います。

最終便の飛行機

 沖縄から勉強をするためにはどうしても飛行機にのって県外にでることが多くなります。
 日帰りできることもありますが、だいたいは前日に現地まで行き、受講したのち最終便で沖縄にもどる事がよくあります。飛行機の他にも、電車やバスを乗り継いででかけることも多いので、田舎者としては帰りの飛行機はぐったりです。ぐったりですが、報告書の作成や、新鮮なうちに復習をしてしまおうということで、パソコンを持ち込んでの仕事をしていることも多いです。
 そんなとき、CAさんが飲み物いかがですか?と来てくれると、とっても悩みます。
 この仕事さえ終わったら、居眠りをしたいからカフェインのはいったコーヒーやお茶は避けた方がいいよね・・
 ジュースは、飲みきれないときちょっと困るんだよね
 どうしよう
 と思うと、一時有料になりましたが、また無料になった「コンソメスープ」をお願いします。
コンソメスープ
 家で飲む事はなく、他で飲む事もありませんが、なんでこんなにおいしいんだろうと思うくらい帰りの飛行機で飲むコンソメはとってもおいしいです。
 今日も自宅に着くのはきっと日が変わる30分前くらいだと思います。
 明日も朝から仕事です。
最終便 でも、同じ最終便の飛行機に乗り合わせた他の先生達もきっと同じように週末をつぶして頑張っているんだと思うと、甘えてはいられません。
 頑張らなくては、です。

総合診療を学ぶ特訓ゼミ 第2シリーズ

茨城県の教育研修センターで開催された総合診療を学ぶ特訓ゼミに参加しました。
総合診療を学ぶ特訓ゼミ 茨城
 沖縄からは、5時間を越える大移動でしたが、大変勉強になりました。
 初期、後期研修医の参加が多かったですが、なんと医学生もたくさん参加していました。
 自分が学生のときには、部活ばっかりで、連休を使ってまで勉強するなんて考えもしなかったですが・・
 初日は、臨床推論と腹部レントゲンの読影、チーム医療についてのワークショップ
 腹部のレントゲンでは、NiveauとFree air、場合によっては尿管結石が見えるくらいかと思っていましたが、解剖学的に見ていく事でいろいろなものが見えてくる可能性がある事を感じる事ができました。
セミナー参加
 また、総合診療でとっても重要な鑑別診断を考える上でのVINDICATEは、なんでこれを若いときに誰も教えてくれなかったんだ(いや、自分が不勉強なだけか・・)、意識障害でのAIUEO-TIPSのように、漠然とした疾患を整理していくうえでよい箱になる考え方だと思いました。
 しっかり勉強している医学生、研修医に満足のいく教育をしていくためには、こういったゼミにも積極的に参加、教育の仕方についても参考にしていく必要があるんだと感じました。
水戸協同病院
折角の機会だったので、徳田先生の勤務する水戸協同病院もこっそり見学してきました。総合内科医が集まる病院、きっとすごい設備、環境がととのった病院なんだろうと期待していきましたが、入ってみてびっくりと、同時に、人は人に惹かれ集まるんだ、ものや環境ではひとは動かない、人を動かすものは人の想いや情熱なんだろうと感じました。
 まだまだ、未熟な自分を感じましたが、とてもいい刺激になりました。
 徳田先生、ありがとうございました。
 V: vascular
 I: infection
 N:neoplasm
 D:degenerative
 I:intoxication/ inflamation
 C:congenital
 A:auto-immune
 T:trauma
 E:endocrine,electrolyte

来年の研修医 フルマッチ

初期研修医の先生が、どこの病院で研修を受けるかというのは、昔と違いマッチングというシステムを利用します。

ここ最近、マッチングがなかなかうまらず、苦しい思いをし

今年度は、マッチングはしたものの国家試験に4名落ちるという悲劇がおき、1年目はわずか2名という苦しいなか、研修医の先生も、研修委員会のみなさんも、研修担当の事務の方も、みんながあきらめず?ハートライフらしい学生実習などにとりくみ

なんと久しぶりに、フルマッチ、しました。

マッチング

あとは、来年に新研修医予定のみなさんに

がんばって勉強していただき、国家試験に合格していただけると

来年4月には、6人の仲間が増える事になります。

“Harvest follows seedtime.(蒔かぬ種は生えぬ)”

ちいちゃなことが、ちょっとずつ、確実に、効果を出しつつあります。

これからです!!

救急医学会

東京で行われた日本救急医学会総会/学術集会へ参加、発表をしてきました。

2年目の研修医2名も発表をしました。
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一年前の彼らの姿からは想像できない、研修医とはとても思えない実に堂々とした発表で、
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救命センターの医師からの質問にも動揺する事なく、自分の言葉でしっかり返答をしている姿から、彼らの成長を実感する事ができました。
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学会では外傷への初期治療、循環の安定化のための開腹手術は当然の手技となりつつあることを実感しながらも、非外傷、内因性救急疾患へも適切に治療をしていく事の重要性、研修医指導の必要性も実感、たくさんの問題点、改善が必要な点もたくさん明らかとなりました。病院に持ち帰ってからどのようにしていったら良いか悩みはつきません。
救急学会案内1
しかし、毎年学会でお会いする全国の救急医の先生方とお話をする機会を得る事でまた来年も頑張っていこう、と強く思えるようになってきています。

発表するために調査、研究、臨床をしているのではなく、今回発表した内容は来年以降、当然のように対応可能となっていること、あたりまえにしていく事が重要であるということでもあります。

今後も沖縄だから仕方ない、二次救急の病院だからこんなもんです、という言い訳をしないですむように全国第一線の病院と接点を持ちながら、救命救急の質をあげられるよう努力をしていきたいと考えています。

極北ラプソディ

”TOKYO”での学会に参加中です。

沖縄から学会に参加するためには、最低2時間の飛行機旅行が必要で、仕事をかかえ機内でコンピューターを「かたかた」しているときも多いのですが、 「離陸着陸の際は・・・」といわれるのでその間だけでもと文庫本を買う事がよくあります。千円以上する単行本は大きくて、帰りの飛行機の際にも荷物になる ので買わないのですが文庫本になっていただけると大変助かります。

今回は、医療現場をよく知る海堂尊先生の「極北ラプソディ」を読みました。

極北ラプソディー
思い当たる市町村があります。

経験した地域医療の問題点もしっかり書いてあります。

今回、参加している救急医学会で、チャンピオンケースを誇らしげに発表している病院もありますが、その背景にある地域による医療格差の問題や、医師の能力、役割分担が本当は必要だけどできていない現状などを知っている医師である著者ならではの、救命救急の光と影、地域での救急医療の問題が丁寧に書かれている気がしました。

重症が診れないのは仕方ないにしても軽症、中等症は診てよね、という救命センターの気持ち

軽症の中に潜む重症患者に対応できない、そんな可能性がある状態で救急患者の搬送を引き受ける事(9/10が軽症だったとしても)での、潜んでいた重症患者の受けるタイムロス、ホスピタルディレイ、そしてそれが患者を殺してしまうかもしれないという危険性を考慮した上で救急医療を引き受けないという医師不足の病院の選択
ヘリポート
医師であれば、患者さんを自己保身のために見殺しにしてもいいと考える医師なんかいない、みんな助けたいと思っているんだけど、ひとりでは、自分では、自分たちの能力では、助けられない、かもしれない、でも助けられるかもしれない、自分がもうちょっと頑張れば、もうちょっと無理すれば助けられるかもしれない、でも、もうちょっと無理を続けると倒れるかもしれない(病院も自分も地域も)、倒れちゃったら代わりはどこからもこないかもしれない、そしたら地域はもっと大変な事になってしまう、けど、医は仁術だろ、診てくれよ、診療拒否をするのか、と求められるところでの葛藤など、日常診療で常に悩んでいるところが、胸にずんと来ました。

あと2日、救急医学会が続きます。

いろいろな問題をしっかり勉強してきたいと思っています。

救急看護学会

今年は、当院ERから忙しい日常業務の合間をぬって、仕事をまとめ、アンケートをとり、スライドを作り救急看護学会に2演題を出してくれました。
(沖縄県からは他に県立中部病院からの2演題のみでした・・)
救急看護 Kんた
出発前日のぎりぎりまで修正に修正を重ねたポスターでの発表でした。

緊張し、冷や汗をたっぷりかきながら、全国の救命センターの看護師さんを前に堂々と発表してくれました。
また、学会初日の夜は全国からの救急認定看護師さんとの懇親会に混じる事ができ、とても刺激になったようです。
救急看護 Tけもと
救急認定看護師の資格取得のため研修中のK本さんも応援に来てくれました。
来年の学会発表へむけて、どんな調査、臨床研究を進めていけばいいかのヒントをたくさん見つけてきました。
救急看護学会

学会は、全国の施設へ、ハートライフ病院はこんなことをやっている病院です、というアピールと沖縄県内の他の病院スタッフに、ハートライフ病院こんな風に頑張っています、というアピールをすることと、どうしても離島である沖縄県内で天狗になる、井の中の蛙になってしまう医療を行うのではなく、自分たちの行っている医療が全国の施設と比べて遅れていないか、きちんと地域の患者様に最善の医療、看護が提供できているかの確認、不十分であれば持ち帰って最善の医療、最先端の医療を沖縄に持ち帰るための勉強をする本当にすばらしい機会だと思っています。
こういう機会に参加することへの援助を惜しまない病院に感謝、感謝です。
「ちゃんと助ける」ためには「勉強」がどうしても必要です。
これからも頑張っていこうね!

海外AMAZON様

日本のアマゾンより1万円近く安かったので、2巻セットの医学書を、アメリカのアマゾンにお願いしたらなんと4日で届きました。
届いた
が、1冊しかはいっていませんでした・・
届かない
どうしたらよいのかわからず、インターネットでいろいろ対応を検索
メールをして(翻訳サイトをフルに利用して)、
新しいのを送ってもらえる事になりました。(・・他にもいろいろありましたが)
Do-not-separate
そして届きました。無事2冊。
こんどはばっちりです。
2冊
ただ、前回のものはEMSというサービスでアメリカに送り返す事になりました。
送料はなんと8,200円
ちゃんと振り込まれるのか、まだまだ心配はつきません。
それでも、注文して7日間です。
海外AMAZON様もサービスはすばらしい。
履歴
英語が得意な方にはいいのかもしれません。

ちなみに、ROSEN’S Emergency Medicine いい本です。

看護師さんの結婚式

先日、救急外来の看護師さんがありました。
比嘉くん結婚式
一般的な会社に社会人と就職した後、
医学の道を志し、看護学校に入学、
今年の春から当院ERに勤務となった彼にとって、
一般社会からかけ離れたこの医療業界は、きっと異質なものだったと思います。
師長祝辞
半年前は非常にとまどい、重症患者の立て続いての搬送に頭が真っ白になり、停止してしまうことも多かったですが、経験豊富な周りのスタッフに支えられ、次第に成長してきています。
しかし、まだまだです。
救急外来は厳しい世界です。
勉強しても、勉強しても追いつけない、だけど勉強しないとどうにもならない
プレセプター
経験が、感覚が、危険を予知できる部署でもあります。
今までも大変だったと思いますが、これからももっともっと大変だと思います。
でも、周りにはたくさんの仲間がいます。
ER-staff
そして、あらたに生涯の伴侶を得て、これからますます頑張れるんじゃないかと思います。
期待してるよ〜
これからも一緒にがんばっていこうね〜

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