千里メディカルラリー
大阪 千里で行われた第12回千里メディカルラリーを救急科研修医と見学してきました。
飛行機に遅れ、地下鉄は止まり、ホテルについたときには食堂、売店はしまり、帰りは快速に乗り遅れ、いろいろ大変でしたが、とっても勉強になりました。
メディカルラリーとは医師、看護師、救急救命士がチームを組んで、模擬患者を限られた時間内で的確に治療できるかを全国からの救急医療チームが集まり、病院前救護を行う事を競い合う競技会のようなものです
関西が中心でしたが、全国の救命センターから普段よりドクターカー、ドクターヘリなどで病院前医療をしている21チームが、質の高い救急医療を実践していました。なんとJICAチーム(海外からもチームを編成)出場していた事にはびっくりしました。
現場へ向かう途中に他の傷病者発生現場に居合わせたシナリオや、
多数傷病者対応が必要とされるシナリオ、
DMATを要請し、DMAT隊員とも協力しながらトリアージを行っていくシナリオ
そして、乳児の症例や、虐待も考慮しなければいけないシナリオなど
BLS, ACLS, JPTEC, JATECはもちろん、PALSやMIMMSなどさまざまな基本的知識を当然理解した上で、Case by Caseで救急医療を行っていく柔軟性もとわれるとても興味深いシナリオばかりでした。
事前学習、Off the job trainingをしているつもりでしたが、ラリーに参加するチーム、病院と同様の医療行為が病院前でできるかと言われると
当院ではシミュレーションが不十分で、現場への医療介入をするためには救急部のレベルアップ、医師のスキルアップ、意識改革などがまず必要だろうと思われました。
しかし、屋内での急変事例への対応や屋外運動中に倒れた傷病者への対応を必要とするシナリオは通常の救急診療の延長線上にあるものと思われ、当院救急部スタッフでもメンバーを厳選すれば対応可能というか、できなければいけないものと思われ、この経験は今後の診療に生かしていけるものと思われました。
現場にでるということは、質を担保する必要があり、そのためには誰が現場に出ても高い医療レベルを提供できなければ不十分。
そして、急変の現場では、共通言語、共通認識がなければやっていけないという事も痛感。
相当の準備と覚悟、仲間がいないとプレホスピタルにでるなんて、軽々しく言ってはいけないと思いました。
千里の道も一歩から、ちょっとずつがんばっていくしかないですかね・・