表示中の記事は2019年6月30日までの旧記事です。

名古屋第二赤十字病院災害訓練

MIMMSの考え方をもとにした「大阪府救急医療機関災害対応標準マニュアル」から自病院用に災害対策マニュアルをアレンジした病院での訓練という事で、当院の災害対応の参考になるものと考え、名古屋で行われた総合防災訓練を参観してきました。

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訓練は早朝の人の少ない夜勤帯に地震が発生し、院内の電子カルテシステムもダウンしたものの建物自体は倒壊は免れ、救命救急センターである同院へ患者が集中するという設定でした。

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まず、発災後すみやかに院外職員への一斉メールが送信(職員の安全、被災状況を確認するため)、院内でも被害状況、職員や傷病者の情報を収集する準備期(pre-hospital phase)から、最小人数で災害対策本部を設置するところから訓練は開始されました。

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事前情報がほとんどない中での訓練というのは非常に緊迫感があり、リアルタイムで動いていく人、物には、実際の災害を思わせる緊迫感があり、たしかに訓練とはいえここまでやらないと実際の災害では対応できないだろうと痛感しました。

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院内での被災状況を確認、院内にいあわせた上級医、上級看護師、上級事務員が中心となり、院長をはじめとする病院幹部職員が来院するまでの災害対策本部機能を代行する形で、災害対応への準備が続いていきました。

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メールによって院外から自主参集した病院職員は、災害対策本部より役割を与えられ、色分けされたビブスを用いてエリア毎に準備をすすめ、あっという間に2時間が経過、受入期(reception phase)がはじまると、ムラージュを施した看護学生が、病院の車を救急車に見立てた形で搬送されてくる。

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病院職員は傷病者を赤、黄、緑へとトリアージし、初療を行い、ICU、ORなどへ搬送を考えていく訓練でしたが、実際に傷病者が入ってくると多くの傷病者が赤にトリアージされ、ERからは患者もあふれ、ORへは入れず、ICUにも患者の異動ができないという現実にはよく起こりそうなトラブルに見舞われ、そこにDMATも入ってくるという当院で起きた場合にはどうしたらいいだろうという状況を見学してきました。

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立派なマニュアルがあるにもかかわらず、訓練でマニュアルを利用している部署はなく、臨機応変に対応していましたが、臨機応変に対応できているのはスタッフのなかにCSCATTTという共通言語があるため、共通認識をもったスタッフが核、軸となっているためと思われました。
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当院で実際、同じような訓練ができるかは非常に疑問が残りますが、院内への伝達講習等を通して、災害への意識を高め、共通言語としてのCSCA / TTTを広めて行くことが必要だと痛感して帰ってきました。
年内には、同様の訓練を予定している当院でも、災害対策委員会やMIMMS受講メンバーを中心に災害への準備を勧めていきたいと考えております。