当院ドクターカーの現状と課題
医局の先生方が毎週水曜日の朝に行っている Journal clubで
当院ドクターカーの現状と課題について報告させていただきました。
いろんな理由があるのですが、ドクターカーの導入は
病院でちゃんと待っている体制を作っていても救命困難
社会復帰困難な事例、症例は、ほんとに仕方がなかったのか?
病院前、プレホスピタルに医師・看護師が出て、診療をはじめれば
結果が変わったんではないか、社会復帰できたんではないか?
ということが大きな理由で
2016年7月より試験運用を開始
2016年10月より消防経験者をER-Aideとして採用、運転を依頼
2017年4月より消防と協定を結び、本格運用を開始し
2018年3月からは、病院救命士を2名体制として活動を行い
7月末日までの総要請件数は 345件
本格運用となってからだけでも 278件の 要請があり
消防からの要請で現場に出動したのは 114件
実際に現場まで到着し、活動したのは 89件
でした。
運用の内訳としては
現場への出動は 約4割(うち、出動途中にキャンセルが9%)
また、当院のドクターカーは県内で唯一の患者搬送機能を持った
「救急車型(箱型)」のため、連携診療所を訪れた
急性心筋梗塞や急性心不全、呼吸不全患者様への
お迎え、救急搬送業務も約3割で担っておりました。
また
搬入後の経過については
ドクターカーで搬送された患者様の7割が入院。
2割がICUといわれる集中治療が必要になる患者様
ただ、2割弱の患者様は外来治療が可能と判断されておりました。
そんな
ドクターカーの運用時間は
現在までののところ、
医師・看護師・救命士の安定確保ができている 平日日勤帯に限定
されてしまっており、もっと
ドクターカーに乗れる医師・看護師が増えることが期待されますが、
誰でも、乗りたい!!
と言ったら乗れるわけではありません。
最低限、外傷初期診療の基本であるJATECやJPTEC、
看護師さんであればJNTECなどの基本技術は習得する必要がありますし
現場に出てみたら、複数傷病者でした、最先着隊でした
どうしたらいいか、経験がないのでわかりませんでした。
では、消防も一緒に活動するスタッフも困るので、
災害対応の基本原則(CSCA/TTT)をしっかり理解していることも必要です。
気づけば、沖縄県内には
ワークステーション形式を含めれば、
なんと10施設が病院前診療に携わっています。
同じように、病院で待っているだけでは助からない
病院前にでることで、可能になる救命、社会復帰を信じて活動する
医療施設同士が、消防や他の組織と今まで以上によい連携ができれば、
いままでは、仕方なかった、これが限界、と思われた方たちを
救命できる、ことができる、可能性が拡がるのでは
と思います。
と報告させていただきました。
反響はどうか・・わかりませんが、
これからもハートライフ病院ドクターカーを
どうぞよろしくお願いいたします。