表示中の記事は2019年6月30日までの旧記事です。

なんでもできる、なんとかできる

救急医学会総会 2015に参加してきました。

 2年目のIとう先生の発表は見た目の安心感に加え
今年は裏打ちされた知識と経験がついたことで
質疑応答も非常に堂々としていてバッチリでした。 

 

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多発外傷の患者さんを救うためのDamage Control Surgery(DCS)も

経皮的な大動脈遮断バルーン(IABO)も、どこの施設も当然のように導入

救命のための緊急開腹、あたりまえでしょ 

と数年前には革新的だと思っていた治療法が至極当然のようにおこなわれている

この救急領域は、

 

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学会などに参加、勉強してしないと 

あっというまに時代遅れの治療をしてしまう、

助けられるはずの命をあきらめてしまう、
可能性がある非常に進歩の早い領域です。

  

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救急科専門医の未来ということでも話がいろいろありました。

 

たとえば循環器内科の専門医になるには、

あれをして、これができて、という道がありますが、

 

救急には関しては非常に幅が広い。

 

外傷外科を得意とする救急部や、災害医療に強い、離島僻地で力を発揮できる救急部、

集中治療まで一貫した救急部や、一次から三次までのすべての患者の初期診療を行うER型と言われる救急など、さまざまな形の救急部があります。

 

でもその先に(年をとった先に)何もない(開業もできないし)と思っていましたが、

救急クリニックとして開業されている先生のお話を聞くこともできました。

 

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「救急に残るとどんな医者になれるんですか?」とはよく聞かれる質問ですが、

 

今回学会に参加してちょっとわかってきたことは 救急ができる先生には専門がない、

 

ではなく、なんでもできる医者になれる、そんな魅力がある気がします。

  

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「どなたかお医者様いらっしゃいませんか?」

に応えられる(手を上げた)医者になった東京でがんばる先生とも会えました。

 

やっぱり、予想外の状況に戸惑いはしたそうですが、

柔軟に?なんとか? 対応できたそうです。

 

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「救急を続けるとどんな医者に?」

 

きっと困った人を目の前にした時に

 

たぶん

 

「なんとかできる」医者になれる気がします。

 

 

今いる場所、今あるもので柔軟に、臨機応変に対応できれば、

たとえ環境が変わっても何年たっても必要とされる医療者でいられる気がします。

 

 

 

「なんでもできる救急医」をめざして、

 

「なんとかできる救急医」になってもらうことが

 

当院救急部の後期研修の最初の目標かもしれません。