表示中の記事は2019年6月30日までの旧記事です。

臨床工学科の仕事紹介

今回担当させていただきます。臨床工学科 N松です。

今回は、真面目モードで、医療機器の研修について書きたいと思います。

 

:roll: 臨床工学技士は、マイナーな職種ですが、生命維持管理装置の操作、保守管理を行う医療機器のスペシャリストとされています。

しかし、病院で使用される医療機器は、多種多様であり、また技術の進歩によって、養成校の教育内ですべての機器を網羅することはできません。

そのため、養成校では、主要機器の基本原理や、もっと根幹となる材料の性質や電磁気が体に与える影響等を学び、応用できるような教育が行われます。

得た知識を元に、メーカの説明や取扱説明書を確認し、新しい機器の性能評価、安全性評価、正しい使用方法を理解します。臨床工学技士には、取扱説明書や添付文書を読み、理解できるスキルが重要になってきます。

 

 

:-D さて、今回のブログの本題は、実はここからです。

上で書いたように、臨床工学技士は医療機器のスペシャリストであるから、与えられた機器、専門性の高い機器の操作を行うことは比較的容易にできます。

病院内でまったく医療機器を使用せずに診療を行うことは、難しいのですが、病院内の医療機器は、すべて臨床工学技士が操作するわけではなく、医師をはじめ、看護師や他の職種の人々が操作しています。

:oops: 現在、臨床工学技士に求められていることは、医師や看護師にも正しく使用してもらえるようにすることです。つまり、臨床工学技士は、自らが医療機器を適正に使用するという仕事だけでなく、「医療機器を適正に使用してもらうこと」もまた重要な仕事になるわけです。

当院の臨床工学科が取り組んでいる「マスク式人工呼吸器のマスクフィッティングの研修」の様子を紹介します。忘年会で大活躍だったM城が報告してくれます。↓↓

 

 

こんにちは。担当変わりまして、臨床工学科 M城です。

今回、マスクの圧迫により、『鼻根部の潰瘍』や『目元付近からのリークによる目の充血』などの合併症を起こさないための正しいマスクフィッティング方法、また、座学説明を大幅に減らし、少人数制、体験の時間を多く割き、体験型の勉強会を取り入れ、患者側の圧迫感の体験とフィッティング成功体験を少人数の参加者内で共有することができ、正しい技術習得と自信を持ってほしいと思い、研修を実施しました。

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実際看護師のフィットは、強く圧迫しており、参考書や先輩から得た知識だけでは、圧迫の程度を実感できず、知識と技術にギャップを生じたと考えられます。今回、試みた体験型勉強会による技術習得は、そのギャップを埋めるだけでなく、実習でのフィッティング成功体験が、不安を取り除き、正しい技術習得と自信を持てたと思います。今後のマスク装着患者の看護師による観察、ケアの充実を期待したいです。

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研修を受講したスタッフの意見

  • 今回参加してマスクフィッティングの強さを、今まで必要以上にきつくしていた事がわかりました。又、機械もつけて患者さんのきつさも体験でき、少しでも負担が少なくなる様、やっていけたらと思いました。とっても勉強になりました。
  • 初めて勉強させていただきました。初心者の私にはとても助かりました。
  • 手順を今まで見直さなくて、患者にマスクフィッティングしていたので、今回の勉強会で学んだことを実践していきたいと思います。
  • 少人数でとてもわかりやすかった。実際にマスクフィットして患者の気持ちがわかった。
  • 日頃、自分でマスクフィッティングされる側になることはないので、体験できてよかった。
  • 正しいマスクフィッティングでは、マスクが乗っているだけのようで苦痛はなかった。
  • 病棟で伝達していきます。
  • NPPVを実際体験できてよかったです。マスクフィッティングを含め、今後の看護に役立てたいと思います。

 

変わってN松です。前記事の忘年会の時と打って変わって、M城からの真面目な報告でした。参加者の反響も良く、M城は良い仕事しています。研修には、興味を持ってもらう工夫、伝える力が重要と思っていますが、これが、なかなか難しい(-_-;)。今後も臨床工学科では、効果的な研修を模索し、頑張ってまいります。臨床工学技士は、こんな仕事もしているんだなぁと思ってもらえたら幸いです。

 

 

長文読んでいただきありがとうございました。(´ω`*)

 

 

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